毎日が夏休み in 熊谷

Yahoo!ブログより移転しました

「吉原手引草」を読んで

http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php
こんにちは。
おかげさまで先日、元気に宿泊施設(?)から戻って参りました。(^^)
が、
それなりに体力を使ってきたので、ボチボチやっていきます♪


約2週間の休みをいただいて、都内でのんびり(?)過ごしていた間、
東京マラソン中継のヘリなぞも、窓越しに眺めたりもしましたが、
基本的にやることがないので、持参した市立図書館で借りた本を>写真
何度も読んでしまいました。

なので読書感想文なぞ。
ネタバレではありませんので、ご安心のほどを♪



『吉原手引草』 松井今朝子幻冬舎

「江戸時代の吉原」って大体のことは知ってるけど、詳しくはよくわからない。
というのが一般的な認識としての大多数だと思います。
そんな方たちにお勧めしたい、小説版「江戸吉原入門」。

もちろん、この一冊で江戸吉原のことが全てわかるわけではありませんが、
ある一時を切り取ったその時代、
吉原で働く、もしくは客として出入りする様々な人物の語りを通して、
主人公の花魁「葛城」を描いていくオムニバス形式の手法をとっているので、
読みすすめていくうちに、吉原という社会構造がタペストリーのように織り上げられていきます。
直木賞作品というだけあって読み応えは十分です。


単純にミステリーとしても楽しむことができますが、

「多様性によって社会は成り立っている」という前提で作品を読んだとき、
私は、過去に存在した吉原という一つの生態系のような社会が、近代・現代化の過程において
その社会を構成する1ピース:花魁(遊女・娼妓)という職業そのものが消滅したことで、
郭という社会システムの全てが、そこにあった文化と共に消えてしまっている、という現実を感じました。

公娼を制度として認めるには、現代ではあまりにもハードル(問題)が多く、
故に、そこでの文化が丸ごと一つ失われたということは、ものすごいことだと思っています。

くれぐれも、
私は「公娼は廃止されるべきではなかった」とは主張していませんので、ご承知おき下さい。

そんなことを思いながら
著者の松井今朝子さんについての記事を見て↓
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/pickup/interview/matui_k/
なんとなく、
「(おこがましくも)あ、わかる気がする・・・」と感じたところは、
今、私がブログを細々と続けてる理由と、同じ部分があると思いました。


まぁ、無事に家に戻ってきましたので、
またノロノロと更新していきます。

よろしくおつきあい下さい(^^)