毎日が夏休み in 熊谷

Yahoo!ブログより移転しました

三尻の地名

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写真↑は、観音山の登山(?)階段。
一気に登ると、結構キツイ!&枯れ葉が溜まってて滑るので、
ほどほどのペースをお勧めします。

登りきると昔の共同井戸の跡が、かろうじて残ってます。



さて、
三尻(みしり)と三ヶ尻(みかじり)。
違いがおわかりになりますでしょうか?
今回は、私もあやふやだった三尻の地名について、少々おつきあい下さい♪


●三尻(みしり)の由来
「三」は、三ヶ尻・拾六間・新堀新田の三つの村が集まったという意味。
「尻」は、その中で一番大きな集落であった三ヶ尻から「尻」の字をつけた。
とのこと。
よって三ヶ尻(みかじり)は、旧村名だったものが三尻(みしり)村の大字名となったわけです。

では三ヶ尻「みかじり」の地名は、どこから来たのか?
決定打はなかったのですが、諸説を挙げてみたいと思います。

その①
田中神社の要石(かなめいし)が、
幡羅郡三ヶ尻が南端となる熊谷市の一部・深谷市の一部)
大里郡(概ね熊谷市
榛沢郡(概ね深谷市寄居町
の境界石になっていることから、
三つの郡の端(尻)が合った場所という意味で「三ヶ尻」。

【要石】については、鹿島神宮・磐座(いわくら)あたりで検索してみて下さい(^^;)


その②
三尻八幡神社神職さまからは、
「田中神社の神様:武甕槌命タケミカヅチノミコト)からきてるのでは?」
と伺いました。


その③
その昔、三尻の観音山は狭山(さやま)と呼ばれてました。
麓にあるお寺は、少間(さやま)山 観音院 竜泉寺
ここから「観音山」となったみたいです。

で、その狭山の形状が、「ミカを伏せて尻(底)を見せているようだ」ということで、
ミカシリ、みかじり。
漢字表記では、a瓺尻・b甕尻・c瓶尻・三箇尻。

馴染みのない漢字のため、abcを振ってます(^^;)


「a瓺」「b甕」「c瓶」は、水物を入れる「かめ・つぼ」を示すそうです。
また三ヶ尻の高台一帯が、このような焼き物(陶器)の産地だったとも言われているそうです。


よって、
三ヶ尻の記録を残した渡辺崋山のa「訪瓺録」は、a瓺尻からきていたんですね。
読み方は「ほうちょうろく」または「ほうへいろく」です。

a「瓺」の読みは、チョウ
b「甕」の読みは、オウ、かめ
神社の祝詞では、これらを「ミカ」と読んで
神酒を入れる容器の意味があるとのこと。>八幡神社神職さまから伺いました。
よって、a瓺尻・b甕尻が本来の「ミカジリ」の漢字表記。

でも、この時点で漢字表記が2種ですね(^^;)
昔は「当て字」の感覚が強かったから、それはそれで構わないのかな?


c「瓶」の読みは、ビン、ヘイ、ビョウ、かめ(「ミカ」の読みはありません)
酒を入れる器として用いられた壷を瓶子(へいし)といいます。今でいう徳利・・・?
こちらは、「かめ・つぼ」の意味から派生した表記だったと思われます。

時代は下がり、
本来のa「訪瓺録」が、c「訪瓶録」と転記されるようになり、
読み方も「ほうへいろく」と混在するようになったのかなぁ
ついでにc「瓶尻」も「みかじり」と読むようにしちゃったのかなぁ
などと、一主婦は思いました。

というわけで
正式には「ほうちょうろく」なんだそうですが、
地元の固有名詞として「ほうへいろく」が存在しているのは、生きた歴史を感じます。

一つ何かを調べると、色々わかってくるのが面白いですね♪



【参考資料】
熊谷の地名と旧跡
三尻の石碑漫歩:嶋田文夫著
熊谷市郷土文化会誌(第48号)

八幡神社宮司さまには、
三ヶ尻の地名についてのお話も伺いました。
田中神社のご祭神からの解釈もあるとは、知りませんでした。
地名は、奥がふかいです。
ありがとうございました。



yoshiさ~ん♪これでよろしいかしら・・・(^^;)